第3部の締めくくりは、「場所」の社会学です。
理論はゲオルク・ジンメルの都会論。
実話は、ぼくが高知の限界集落に移住して10年以上暮らしている話です。
1903年、ドイツの社会学者ジンメルは「大都会と精神生活」という講演で、都市が人間の心に何をするかを分析しました。
都市は、刺激の洪水です。
すれ違う無数の他人、鳴り続ける音、更新され続ける情報。
人間の神経は、この全部にまともに反応したら焼き切れます。
だから都会人は、心に防御壁を作る。
ジンメルはこれを倦怠(ブラゼ)の態度と呼びました。
何を見ても驚かない、他人に深入りしない、物事を「いくらか」で測る。
都会人の冷たさやスノッブさは、性格の悪さではなく、刺激過多への正当な防衛反応なんです。