武帝は問います。
「私は即位以来、寺を建て、経を写させ、僧を育ててきた。どれほどの功徳があるだろうか」。
高僧の答えは、一言でした。
「無功徳(むくどく)」。
——功徳など、ありません。
凍りつく謁見の間。
気を取り直した武帝は、問いを変えます。
「では、私の前にいるあなたは、いったい何者か」。
答えは、また一言。
「不識(ふしき)」。
——知らぬ。
そう言い残して、高僧は川を渡って去っていったと伝えられています。
彼の名は、達磨。
禅の初祖です。
こんなに面白い哲学 第12回
第2部 神と悟りの時代
武帝は問います。
「私は即位以来、寺を建て、経を写させ、僧を育ててきた。どれほどの功徳があるだろうか」。
高僧の答えは、一言でした。
「無功徳(むくどく)」。
——功徳など、ありません。
凍りつく謁見の間。
気を取り直した武帝は、問いを変えます。
「では、私の前にいるあなたは、いったい何者か」。
答えは、また一言。
「不識(ふしき)」。
——知らぬ。
そう言い残して、高僧は川を渡って去っていったと伝えられています。
彼の名は、達磨。
禅の初祖です。