朝から晩まで、経済学の本と統計資料を読み、ノートを取り続ける。
その間、家では家賃が払えず、質屋通いが続き、子どもが病気で亡くなっても葬儀代に困る有様でした。
家計を支えていたのは、マンチェスターで工場経営者の息子として働く親友です。
資本主義を最も痛烈に批判する本が、資本家の息子の仕送りで書かれていた。
歴史はときどき、出来すぎた皮肉を用意します。
亡命者の名はカール・マルクス。
親友の名はフリードリヒ・エンゲルス。
今回は、二十世紀の世界地図を実際に塗り替えてしまった思想の話です。
だからこそ、最初に一言。
この回は、マルクスを褒めて終わる回でも、貶して終わる回でもありません。
彼の思想の切れ味と、その思想が二十世紀に引き起こしたことの両方を、盛らずに見ます。
マルクスの墓碑にも刻まれている、有名なテーゼがあります。