1913年8月18日、モナコのモンテカルロ。
あるカジノのルーレットで、玉が黒に落ち続けるという事件が起きました。
5連続、10連続、15連続——黒。
テーブルの周りには人だかりができ、客たちは競うように赤へ賭け始めました。
「これだけ黒が続いたんだ、次こそ赤に決まっている」。
結果、黒は26回連続で出ました。
赤に賭け続けた客たちは、次々と破産していった。
カジノ側が歴史的な大勝ちをしたこの夜は、いまも「モンテカルロの誤謬」という名前で語り継がれています。
気持ちは、痛いほどわかります。
でもこの理屈には、致命的な欠陥があります。
ルーレットには、記憶がないんです。