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人生は、相手のいるゲームだ 第11回

退路を断つと、強くなる — コミットメントの理論

第2部 5つの基本ゲーム

4つ目の基本ゲームは、コミットメント。
ゲーム理論のなかで、いちばん直感に反して、いちばん面白い理論だとぼくは思っています。

結論から言います。
自分の選択肢を自分で減らすと、交渉やにらみ合いで強くなることがある

ふつう、選択肢は多いほど有利なはずです。
逃げ道は多いほうがいい。
ところが相手のいるゲームでは、この常識がひっくり返る場面がある。
それを理論にしたのが、トーマス・シェリングです。
1960年の著書『紛争の戦略』でこの考えを体系化し、2005年にノーベル経済学賞を受賞しました。

前回までのチキンゲームで考えます。
正面から突っ込み合う2台の車。
「絶対に退かない」と信じさせた側が勝つのでした。

では、どうすれば信じてもらえるのか。
口で「退かないぞ」と叫んでも無駄です。
衝突の寸前になれば避けるのが合理的だと、相手も知っているからです。
脅しに信憑性がない。

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