第3部のテーマは「戦わない戦略」です。
その土台として、まずゲームの分類をひとつ手に入れます。
いま自分がいるゲームは、奪い合いなのか、増やし合いなのか。
ゼロサムゲームとは、全プレイヤーの得失点を合計するとゼロになるゲームです。
誰かが1点取れば、誰かが1点失う。
ポーカーの卓がわかりやすい例です。
卓の上のチップの総量は変わらない。
動くのは分配だけ。
フォン・ノイマンが最初に解いたのは、この型のゲームでした(第2回のミニマックス定理)。
ゼロサムの世界では、相手の得は正確にこちらの損です。
だから容赦ない読み合いが正当化されるし、「全員が得する道」は原理的に存在しません。
麻雀、席の取り合い、固定予算の分捕り合戦、シェアの奪い合い(市場全体が成長していない場合)。
これらは本物のゼロサムです。
一方、合計がゼロにならないゲームがあります。
プレイヤーの選択次第で、全体のパイが増えたり減ったりする。