『ポン』を当てたノーラン・ブッシュネルは、1972年にアタリを創業します。
社名の由来は囲碁の「当たり」。
日本語です。
シリコンバレーの伝説的企業の名前が囲碁用語だという事実は、ゲーム史の小さな伏線として覚えておいて損はありません。
アタリという会社の面白さは、ゲームそのものと同じくらい、その社風にありました。
服装自由、勤務時間も緩く、金曜にはビールパーティー。
当時のアメリカ企業の常識からすると、ふざけているとしか思えない職場です。
しかしここから、のちのシリコンバレー的な企業文化の原型が生まれていきます。
有名な逸話をひとつ。
アタリの若手社員に、のちにアップルを創業するスティーブ・ジョブズがいました。
ブロック崩し『ブレイクアウト』の開発では、ジョブズが友人のスティーブ・ウォズニアックを引き込んで回路設計をやらせた話が、二人の伝記で必ず語られます。
パソコン革命の主役たちは、その前夜、ゲーム会社にいたのです。
『ポン』以降、アーケードゲームは酒場から独立した専門店を持つようになります。
ゲームセンター、英語で言うアーケードの誕生です。