1987年12月、スクウェアから『ファイナルファンタジー』が発売されます。
当時のスクウェアは、ヒットに恵まれない小さなソフトハウスでした。
坂口博信率いる開発チームがRPGに社運を賭けたこの一本は、状況からして文字通りの背水の陣だった。
タイトルの由来については「これで最後だから」という有名な説と、それを否定する後年の証言があり、諸説あるので踏み込みません。
確かなのは、これが当たらなければ後がない状況で作られ、そして当たったことです。
後発のFFが偉かったのは、ドラクエの真似をしなかったことです。
あらゆる面で、逆を張りました。
- ドラクエの絵が鳥山明の明るい漫画絵なら、FFは天野喜孝の耽美で幻想的なイラスト
- ドラクエの戦闘が正面からの一人称視点なら、FFは横から見た構図でキャラクターが画面に映り、剣を振る姿が見える
- ドラクエが親しみやすい「和製ファンタジー」なら、FFは飛空艇が飛び、クリスタルが輝く映像的な世界観
音楽は植松伸夫。
ゲーム開始からしばらくして、橋を渡る場面で初めてオープニングテーマが流れる演出は、いまも語り継がれる名場面です。
物語が「始まる瞬間」を音楽で演出する。
この映像的な感覚が、FFというシリーズの背骨になります。