1984年、モスクワ。
ソ連科学アカデミーの研究員だったアレクセイ・パジトノフが、勤務先のコンピュータで小さなパズルゲームを作りました。
上から落ちてくる4マスのブロックを、隙間なく積む。
横一列が揃うと、消える。
それだけ。
『テトリス』です。
ゲーム史には「完璧なルール」と呼びたくなる作品がいくつかありますが、テトリスはその筆頭です。
- 覚えるルールは実質ひとつ。「揃えると消える」
- ブロックの種類は7つだけ。なのに局面は無限にある
- 上達が純粋に自分の腕の問題で、運のせいにも機械のせいにもできない
- そして絶妙に意地悪なことに、揃いかけた列を待つ「あのI字ブロック」は、来てほしいときに来ない
グラフィックの豪華さも、キャラクターも、物語も、一切ない。
それでも人類は40年、これをやめられずにいます。
マリオの回で「遊びを設計する」という話をしましたが、テトリスは設計から削れるものをすべて削った先に残った、遊びの結晶のようなものです。