第3部は、戦争の時代です。
90年代、ゲーム業界は「ハード戦争」という言葉が定着するほどの覇権争いに突入します。
最初の主役は、任天堂に正面から喧嘩を売った会社。
セガです。
セガは1988年、16ビット機メガドライブを発売します。
ファミコンより一世代先の性能。
しかし日本では、任天堂の牙城を崩せませんでした。
ところがアメリカで、景色が変わります。
北米版メガドライブ「Genesis」は、性能の先行に加えて、マーケティングで勝負に出ました。
狙いは明確で、「ニンテンドーは子どものもの。ジェネシスはクールなやつのもの」というイメージ戦略です。
比較広告が許されるアメリカで、セガは任天堂を名指しでからかう広告を打ちまくり、ティーンエイジャーの心を掴んでいきます。
一番手と同じ土俵で品質を競うのではなく、一番手の強みである「家族向けの安心感」を、あえて「子どもっぽさ」に見せ替える。
FFの回で話した「後発はすべて逆を張る」の、マーケティング版です。
そのイメージ戦略の要として1991年に生まれたのが、『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』でした。