1993年、テキサスの小さな会社id Softwareが『DOOM』を公開します。
火星の基地で悪魔の群れを撃ちまくる一人称視点のゲーム。
プログラマーのジョン・カーマックとデザイナーのジョン・ロメロを中心とした、20代の数人のチームが作ったこの一本が、PCゲームの歴史を数十年分規定しました。
前年の『Wolfenstein 3D』で原型を作り、DOOMで完成させたのが、FPS(ファーストパーソン・シューター)の文法です。
画面はキャラクターの目そのもの。
見るために動き、動くために見る。
この一人称の没入感は、三人称のゲームと質的に違う体験でした。
カーマックの高速な3D描画技術がそれを当時の家庭用PCで動かしてみせたことは、技術史的にも事件だったのです。
以後、FPSはPCゲームの中核ジャンルであり続け、のちの『Halo』『Call of Duty』、そして第5部で話すバトルロイヤルまで、この系譜の上にあります。
DOOMの革新はゲーム内容にとどまりません。